ビットコイン（BTC）は、暗号資産（仮想通貨）の中でも特に人気で歴史を持つ代表的な存在です。ビットコインがどのように誕生し、どのように価格が推移してきたのか、その背景と理由について詳しく見ていきます。
ここでは、ビットコインの全期間チャート、価格変動の原因や影響を受けた出来事などについて解説します。ビットコインに投資を検討している方、または過去の価格変動を振り返りたい方には必見の内容です。
ビットコイン誕生と初期の歴史
2008年、サトシ・ナカモトという謎の人物によってビットコインに関する論文が発表され、これを契機に、2009年にはビットコインが正式に世に登場しました。
2010年5月22日には、ビットコインでの最初の実用的な取引がアメリカで行われ、10,000BTCがピザ2枚と交換されました。これは「ビットコインピザ」と呼ばれ、ビットコインの経済的価値が初めて実証された瞬間になります。
この頃、ビットコインはまだ一部の熱心な者のみが利用していた状態で、やがて、徐々に取引所もサポートされ、2010年7月には「Mt.Gox（マウントゴックス）」が仮想通貨取引所の運営に転換し、ビットコインの普及に伴って価格が上昇していくための準備を整えました。
各年ごとの価格推移
2009年～2010年：ビットコインの誕生と初取引
ビットコインの価格が初めて市場で設定されたのは2009年で、このビットコインは取引手段というよりも実験的な技術と見られてました。2010年には10,000BTCがピザ2枚に交換され、この価値が「ビットコインの初取引」として記憶されています。
2011年～2012年：認知度拡大と相場の変動
2011年になると、ビットコインが一部メディアで報じられ、徐々に認知度が広がり始めました。これにより取引が視野に入り、価格は一時的に1BTC＝3,000円近くまで上昇しましたが、仮想通貨取引所の「Mt.Gox」がハッキングされた影響を受け、相場は下落します。
2013年：価格の急騰と下落
2013年には、キプロス危機などの世界的な経済問題を背景にビットコインが注目され、価格が急騰しました。最終的には1BTC=12万円に達しましたが、中国政府がビットコイン取引を規制したことなどにより、再び大幅な下落を見せました。
2014年～2016年：安定期と徐々に増加投資
この期間は、ビットコイン市場において比較的安定期間とされていました。2014年には再びMt.Goxがサイバー攻撃を受け、当時のレートで470億円相当の被害を受けましたが、ビットコインの取引は世界的に広がりを見せていきます。
2017年：バブル期到来と歴史の高値
特にこの年の11月から12月にかけて上昇し、当時の最高値である2,332,385円を記録。アメリカのCBOEやCMEによる先物取引の開始なども追い風となり、多くの新規投資家が参入しました。
2018年～2020年：バブル崩壊後の回復
2018年はビットコインの価格が大幅に下落し、「ビットコインバブル」の崩壊が生じました。しかし、2020年には再び回復に向かい、12月は2,121,606円まで上昇。コロナウイルスの影響による金融緩和等価格を上昇させました。
2021年～2023年：史上最高値とその後の下落・回復
2021年には、ビットコインは史上最高値となる777万円を記録しましたが、インフレや規制強化の影響でその後は下落に転じましたが、徐々に右肩上がりで上昇傾向を示しています。
2024年～：トランプ大統領の再任による影響
2024年のビットコイン価格は、経済および政治的な争点が多様な影響を受けています。その中でも、2024年の米国大統領選挙でドナルド・トランプ氏が再び政権に就くことがビットコイン市場で影響を与えると見られています。
トランプ氏は選挙戦において、米国を「世界の暗号資産の中心地とする」にすると表明しました。これは、暗号資産に対してより友好的な規制環境を作り出す意図を示唆しており、具体的にはトランプ氏勝利に加え、議会選で仮想通貨推進派候補の多くが当選したことにより「税制や規制緩和に関する政策変更」が予想され、このような規制緩和への期待が、ビットコイン価格の上昇を後押ししています。
ビットコイン価格変動の懸念
ビットコインの価格変動は、以下のような損失によって影響を受けます。
- 供給と必要：ビットコインは定期的に供給され、一定期間ごとに発生する「半減期」によって供給量が減少します。これにより希少性が高まるため、価格が上昇する要因となります。
- 規制と政策の変更：各国政府による規制の強化や緩和が市場に大きな影響を与えます。同様に、中国の取引禁止や米国の規制強化は価格の下落につながります。
- メディアの影響：ビットコイン関連のニュースは即座に市場に影響を与えます。特にSNSやニュースメディアでの話題が価格変動の一因となります。
今後のビットコインの見通し
ビットコインは、世界的なインフレや経済の不安定な状況下で資産の「セーフヘイブン（避難先）」と見なされることがあります。また、法定通貨から独立した資産クラスとしての地位を確立し、現在または今後も価格上昇の可能性があると予測されています。
ビットコインの取引所と選択のポイント
取引所を選ぶ際には、手数料の低さやセキュリティ、サポートの充実度などを重視することが重要です。 特に国内で評判の高い「Coincheck」や「GMOコイン」などは、初心者にも利用しやすく、セキュリティ対策もしっかりとされています。
投資前に知っておきたいリスク
ビットコインは他の資産と比べてボラティリティ（価格変動の度合い）が高く、大きな価格変動が起こるリスクがあります。金融市場の状況や規制の変化により大きく影響を受けるため、リスクを十分に理解した上で投資することが求められます。
ビットコインチャート全期間のまとめ
今後のビットコインの行方は、引き続き経済政策、テクノロジーの進歩、国際情勢の影響を受けると予測されています。
2024年にはトランプ大統領が再び就任し、暗号資産市場に対する規制緩和やビットコインETF（Exchange Traded Fund / 上場投資信託）の承認が進んだ場合、その残り波は2025年のビットコイン市場に大きく影響を与えることでしょう。
ビットコインの半期による価格影響
ビットコインの半減期は約4年に一度訪れ、継続報酬が半分になるこで流通供給が減少します。この希少価値の増加は、需要が供給がある場合に価格上昇を促進します。前回の半減予想でも似たような価格上昇が見られたため、2025年もこの影響を受けることが予想されます。
投資家の参入拡大とETFの影響
ビットコインの現物ETFが米国で正式に承認された場合、投資家の参入が一層促進され、ビットコイン市場に新たに認可された資金流入が期待できます。ETFが安定した資産として広く取引されると、ビットコインはより主流な投資手段として認知されるため、価格の安定性が増し、市場への見通しも立てます。投資家がアクセスしやすいため、ニーズも増大するでしょう。
米国の金融政策とドルインフレ
2025年には、米国の金融政策がビットコイン市場への影響を与えると予想されます。トランプ政権下では、インフレに取り組むための金融政策が重要な課題となっており、インフレ見通しからビットコインがデジタルゴールド（金に代わるデジタル資産）と見なされる傾向が強まる可能性があります。
国際的な規制とビットコインの普及拡大
一部では、ビットコインや他の暗号資産の規制が強化されていますが、逆に暗号資産の合法化やデジタル決済システムの採用を進めている国も増えています。整備が進んでいる地域ではビットコインの需要がさらに高まる可能性があり、特に、新興国や経済不安定な地域では、ビットコインが資産保全の手段として普及し、国際的な需要を後押しするかもしれません。
新技術の登場とブロックチェーン技術の進化
ビットコインは、イーサリアムなどのスマートコントラクト機能を持つブロックチェーンと比べて技術進歩が遅れている面がありますが、ライトニングネットワークの進歩などにより、2025年にはより効率的で低コストになり、これによって決済手段としてのビットコインの普及性が向上し、日常生活や商取引での採用が進むことが期待されます。
2025年以降のビットコイン市場は、半減期による希少価値の上昇、ETF承認による機関投資家の増加、国際的な規制の変化といった影響を受け、必要価値のある状況が続くと考えられます。
また、ドルインフレや国際情勢の不安定さがビットコインへの注目が高まり、価格上昇する可能性もあります。リスクもあるため、長期的な視点で市場の変動に対応していくことが求められ、ビットコイン市場は成長と変動が交錯する年となるでしょう。
